大阪高等裁判所 昭和29年(う)2490号 判決
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条は同条所定の会社、組合は、独占となるべき事実を営み又は統制に関する業務をなすものであるから、これらの事業又は業務の公共的性質を有するものなることにかんがみ、その適正に行使せられることを担保するため、かかる会社組合の役職員につき、公務員と同様、職務上の賄賂罪を規定したものであり、この規定の適用を受くべき会社、組合は右の如く独占事業又は統制業務をなすもの又はこれに準ずるものとし、その範囲は別表乙号において法定してこれを明確にしたものである。
よつて別表乙号において規定せられた会社、組合についてはすべて同条を適用すべき趣旨のものであることはその規定に徴し明らかである。
しかして信用金庫は信用金庫法(昭和二十六年六月十五日法律第二百三十八号)に基き設立せられるもので、同法は第一条に明定する如く、国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資するため、協同組織による信用金庫の制度を確立し、金融業務の公共性にかんがみ、その監督の適正を期すると共に信用の維持と預金者等の保護に資することを目的とするもので、信用金庫の行う業務はこの目的に副う公共性のものであるから金庫の事業は大蔵大臣の免許を必要とし、定款の変更、業務種類の変更、一定の役員の兼職兼業等については大蔵大臣の監督に服すべきものである。この点においては別表乙号十一号の森林組合よりもより強きものがあり、尚信用金庫の名称の使用を強制せられ且金庫なる名称の強き独占的使用権を有しているものである。これらのことよりして信用金庫の業務は少くとも独占又は統制業務に準ずるものとして取扱う必要ありとし別表乙号の十九号の二に法定せられたものである。しからばこの乙号の規定は有効にして法的根拠のない無効のものであるとする弁護人の主張は採用できない。
(裁判長判事 岡利裕 判事 国政真男 判事 石丸弘衛)